「ムーンブルクで管轄している風の精霊神の神殿があるのです。そこに風のマント、と呼ばれる神より賜りし宝があります。恐らく無事なまま今もそこにあるはず」
「風の塔ですか」
 デアス殿がふむ、と頷いた。
「あれから私も様子を見に行っていないのですが、守番として配置してある魔物たちが我々の言う事を聞くかどうか……。ハーゴンの闇の影響で襲い掛かってくると思われます」
「襲ってくるのは仕方がないわ……戦うしかないでしょうね。風のマントは神の加護で護られし物。あれがあれば、あの運河程度の距離なら飛べます。それこそ走り幅跳びの要領で」
 王女はすぐにでも出かけたいような勢いで話す。

 僕は唖然としてから。
 カインに、振り返った。
 カインは「えへへ」と得意満面で笑っている。
 ……こいつの運の良さは異常だ、と改めて感じさせられた。
 たまたま口にしたことが大きな活路になるなんて。

 そしてこの王女の機転、……もしかして僕らは三人共にあることを運命付けられていて、三人でなくてはこの旅を乗り越えられないのではないだろうか。
 そんなことを二人の顔を見ながら、ひしひしと僕は感じていた。




第五章に続く







□モドル□


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